新発見!もう一つの大豆蛋白
スポンサードリンクメタボリックシンドロームすなわち内臓脂肪症候群は昨年来大変話題になっており、動脈硬化を進行させ、心筋梗塞や脳卒中のリスクを高めるという命にかかわる怖い病気です。
肥満の方はもちろんですが、そんなに太っていない人でもポッコリおなかは、内臓脂肪が多く危険といわれています。
なぜ内臓脂肪が多いと問題があるかといいますと、その内臓脂肪から「悪い物質」が分泌され血圧を上げたり、インスリンの効きを悪くしたりするのです。
これらの悪い物質がたくさん出て、高血圧や糖尿病になったり、コレステロールや中性脂肪が増えて高脂血症になったりするのです。
これがメタボリックシンドロームの恐ろしい正体なのです。
この問題となっている「内臓脂肪」を減少させる効果に、大豆タンパク質の一成分である「βコングリシニン」にあることが、京都大学・鬼頭名誉教授グループが明らかにしました。
大豆は良質なタンパク質を多く含んでおり、「畑の肉」などと呼ばれており、以前から、大豆タンパク質はコレステロールや中性脂肪の低減効果があると言われていましたが、大豆蛋白のどの成分が低減させるのか、詳しいことは分かっていませんでした。
これまでの研究では、グリシニンがコレステロールを低減させると考えられていましたが、鬼頭名誉教授らが、もう一つの主要タンパク質であるβコングリシニンが中性脂肪をより効果的に低減させることを突き止めたのです。
メタボリックシンドロームの男女95人、血清中性脂肪値の平均は128mg/dl、内臓脂肪面積は平均107.5平方センチに対し臨床試験をしました。
95人を2つのグループに分けて、βコングリシニン5g入りの干菓子と、カゼイン入りの干菓子を毎日食べてもらいました。
20週間後、内臓脂肪面積はカゼイン入り干菓子のグループは平均4.2平方センチ増(4.1%増)と増えたのに対し、βコングリシニンのグループは5.0平方センチ減(5.1%減)と減少しました。
また、血清中性脂肪値が150mg/dl以上の126人を対象に、同じ試験をした結果、βコングリシニンのグループは血清中性脂肪値は4週間で11.7%減、12週間で13.5%減となりました。
これらの結果から、一日5gのβコングリシニンを長期間摂取すると、内臓脂肪の減少や血清中性脂肪の減少が期待できることが分かり、メタボリックシンドローム対策に役立つことが明らかになりました。
一日5gのβコングリシニンは豆腐にすると2丁半から3丁摂取する必要があり、よほどの豆腐好きでないと難しいと思いますので、健康食品やサプリメントを上手に利用するといいでしょう。
ただし、納豆菌が醗酵の過程でβコングリシニンを消化してしまうため、納豆にはほとんど含まれていないことを付け加えておきます。
湯豆腐、冷奴、揚げ出し豆腐、田楽、おでん、豆腐ハンバーグ、ゴーヤチャンプル、マーボ豆腐、豆腐チゲ、などなど豆腐料理もたくさんありますので、工夫して作ってみましょう。
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