AEDの使い方

AEDの基本的な使い方は、AEDのそばに説明が絵入りでありますし、AEDそのものが音声でガイドしますので、それに従って使えば、医学的知識の無い人でも使用できるようになっています。

しかし、その効果を十分に発揮させるために、いくつかの注意点を下記に記述します。

   1. 電極パッドを患者の胸部に貼る場合、患者前胸部の汗を拭い、胸毛の薄い部位を見極め、ネックレス・貼り薬などを取り除いてから装着します。ネックレスがなかなか取り外せない場合は電極パッドからできるだけ離すようにします。腕時計を外す必要はありません。


   2. 電極を貼り付ける際に体毛が濃い人の場合には剃毛を行い(剃刀はAED内に入っている)もしくは,パッドが2セット入っている時は,一度パッドを貼って、パッドの粘着部で毛を剥がし、新しい電極パッドを使ってカウンターショックを加えても良いです。電極の貼り付け場所に傷がある人は火傷の恐れあるので、その部分を避けるようにします。電極は心臓を挟むように貼ればいいので胸と背中に貼ってもよいです。


   3. 医師等の指示があるまで電極は外さないこと、また一度入れた本体のスイッチはオンのままとすることが重要です。
(一度貼った電極の位置を変えない事が肝要で、電極貼付位置を変えてしまう事により、僅かながらでも心電図の波形その他データが変わる可能性があり、より正確な診断と処置の妨げとなる可能性があります。又、電源をオフにしてしまうと、医療者が到着時した際にそれまでの経過と迅速な処置の判断に影響を与えてしまう恐れがあります)。

AEDには、録音機能があり、使用している間の会話や周りの状況などが録音され、あとでどのような状況かが分かるようになっています。

   4. 心電図解析中は誤診を防ぐ為に、また救助者等が感電しないよう通電時にも、患者に触れない様に、周囲の者にも注意することです。
(「一歩下がって! いいですね!? いきます!」等と大声で合図するのが望ましいです)

   5. 野次馬等を遠避ける。AEDによる処置の必要性はTPOを問わず発生し得る訳ですから、老若男女問わず「胸をはだけさせる」事に対するプライバシーについても、可能な限り配慮することです。例えば、数人が救命措置を行い、数人は関係者以外が覗き込んだりしない様に誘導したり、衣類や大きな布等で四方の覆いをするなど。


また、AEDを使用する場合、心肺蘇生を合わせて行う必要があります。AHAの2005ガイドラインによると、AEDの使用の前に心肺蘇生を行うこととされています。

AEDの使用方法は比較的難しいものではありませんが、心肺蘇生は一定の訓練を受けなければ実践は困難です。また製品により取扱いや音声ガイダンスに若干の違いがあることから、義務ではありませんが取扱いには事実上訓練が必要となります。

日本では、各地の消防本部や日本赤十字社がAED講習会を開催していますし、病院や保健所で独自に行っているところもありますので、ぜひお近くの施設で受講してください。講習は実習を含め2~3時間でおわり、受講終了書を発行してもらえます。

私は消防署で受講したのと、スキューバダイビングのレスキューダイバーの講習のときにも受けて、認定書を発行してもらってます。


AEDがその機能を発揮するのは心室細動を起こしている心臓に対してであり、正常な拍動をしている心臓・完全に停止している及び心房細動を起こしている心臓に対してはAEDの診断機能が「除細動の必要なし」の診断を下し通電は行われません。その際は通常の心肺蘇生法等による救命処置を行う必要があります。

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