AEDの使用法と心肺蘇生を中高生に指導(大阪)

AEDの有効性は既に知られていますが、まだ一般の人の多くは講習を受けてないのが現状だと思う。

中学や高校で普及活動が進められ、徐々に若い人たちの間で広まっていることは、心強いことです。中学や高校でAEDの使用法や心肺蘇生の方法などを講習することにより、親も関心が出てきて、広く一般に広がることを期待します。

 

2009年2月27日  読売新聞より)

 関西の救命救急医や看護師らでつくるNPO法人「大阪ライフサポート協会」(大阪市)が、大阪府内の中学・高校に講師を派遣し、自動体外式除細動器(AED)の使用法と心肺蘇生(そせい)法を指導する講習会を開催している。

 手のひらで胸を押す救命法の動作から「PUSH(プッシュ)プロジェクト」と命名。将来は全国に活動の場を広げる計画で、「勇気を出すことで救える命がある」と訴えていく。

 「リズムに合わせてしっかりと」。府立大冠高(高槻市)で17日、1年生約160人を対象に開かれた講習会。生徒たちは、同協会の講師の指示を聞きながら、トレーニング用人形に「大丈夫ですか」と声をかけ、胸を手のひらで押し続けた。

 停止した心臓から脳へ血液を送る「胸骨圧迫」と呼ばれる蘇生法。その合間に模擬のAED電極を人形の胸に張り付け、通電ボタンを押す動作を確認する。

 講習は保健の授業を利用して行われた。「一刻も早く心肺蘇生を始めることが重要。抵抗感をのぞくきっかけになれば」と語るのは、講師の箕面市立病院看護師、関祐介さん(27)。1年の川井奈緒さん(16)は「胸を押すのは、思った以上に力が必要。倒れた人と遭遇したら、できるだけのことをしたい」と話す。

 文部科学省によると、全国の学校のAED設置率は2007年度末で約40%。大阪府の公立学校は現在、高校で100%、中学校で99%、小学校で86%を占める。ただ、「心肺蘇生法を含めた救命法が教職員や児童・生徒の間に浸透しているとは言えないのが現状」(同協会)という。

 同協会は、府職員や一般市民向けに講習会に取り組んできた経験を生かし、府の委託を受け、昨秋から学校で救命法の指導を始めた。各学校が講師を招かずに講習会を開催できるようにと、救命法を解説したDVDも制作した。

 同府泉佐野市の市立佐野中は、同協会の活動に賛同した泉佐野中央ライオンズクラブからトレーニング用人形の寄付を受け、講習会を実施。初回は同協会の講師の指導を受けたが、その後は教諭がDVDを使って講習を続けており、「今後も授業の中で指導していきたい」と意欲をみせる。

 同協会副理事長の石見拓・京都大保健管理センター助教(37)は「命を救うために何かしなくては、という意識が重要だ。学校の授業に取り入れることで、救命に対する認識を社会に広げていきたい」と語る。

 

 

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