かわいいクマノミ
スポンサードリンククマノミ勢ぞろい
クマノミ(英名:Clownfish、クラウンフィッシュ)は、スズキ目スズメダイ科クマノミ亜科 Amphiprioninae に属する魚の総称。狭義には、クマノミ Amphiprion clarkii 1種を指します。
身体に白い横しまが特徴で、ハマクマノミが1本、クマノミが2本、カクレクマノミが3本であることから、「1ハマ2クマ3カクレ」と呼ばれています。
目/科 | スズキ目スズメダイ科クマノミ亜科に属する魚の総称 |
別名 | クラウンフィッシュ、アネモネフィッシュ |
体長 | 10~15cm程度 |
生息域 | 全世界の熱帯のサンゴ礁に28種が生息 |
特徴 |
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こぼれ話
クマノミ類は全世界の熱帯のサンゴ礁に28種が生息します。日本近海では約6種を見ることができます。体長は15 cm 程度で鮮やかな色彩と、大型イソギンチャクとの共生、性転換などという独特な生態をもつことから、水族館などで鑑賞用に飼育されることも多い魚です。
スズメダイの仲間らしく体は側偏し、各ひれは体に対して大きい。この身体つきはサンゴの枝やイソギンチャクの触手の間をすり抜けるのに都合がよくできています。
どの種類も赤、橙、黄、黒、白が組み合わさった鮮やかな体色をしていて、派手な体色と、イソギンチャクと戯れるかのような泳ぎがクラウン(ピエロ)のようだとして、英名は"Clownfish" と呼ばれています。また"Anemonefish" という別の英名もありますが、これはイソギンチャクが"Sea anemone" ということからつけられたものと思われます。
どの種類もサンゴイソギンチャク、ハタゴイソギンチャクなどの大型イソギンチャクと共生することが知られています。
ふつうの動物がイソギンチャクの触手にふれると、触手の刺胞に刺されますが、クマノミは体表から出す粘液がイソギンチャクと同質で、刺胞が発動しないようになっているのです。
イソギンチャクの触手の中にいると大きな動物からも捕食されず、身を守ることができます。ただしこの共生関係はイソギンチャクの方には特に利益がなく、「片利共生」の部類に入るとみられます。
ちなみにクマノミのほかにも、同じスズメダイ科のミツボシクロスズメなど数種類がイソギンチャクと共生することがわかっています。
ひとつのイソギンチャクには、だいたい複数のクマノミが生息します。この中ではいちばん大きい個体がメス、2番目に大きい個体がオスで、残りの個体は繁殖しないのです。この時にメスが死ぬと、オスがメスへ性転換し、3番目に大きい個体がオスとなります。このように最初にオス、次にメスへ性転換をする「雄性先熟」がおきます。
繁殖時はオスとメスがイソギンチャクの近くの岩場に産卵し、産卵後はつがいで卵に水を送ったりゴミを取り除いたりと、こまごました世話をします。これはスズメダイ科に共通する習性なのです。
その派手な体色と多くの風変わりな生態で、以前からダイバー、水族館、および熱帯魚ファンの間で人気が高い魚です。特にカクレクマノミは、映画「ファインディング・ニモ」(2003)のヒットによりさらに人気に拍車がかかり、乱獲までおこる状況となっています。
2005年7月に岡山理科大専門学校がカクレクマノミの大量養殖に成功し、全国の卸業者向けへの流通が開始されました。これにより将来、養殖されたクマノミが市場に出回り、乱獲が防止されることが期待されています。
クマノミの主な種類
(1)クマノミ 学名Amphiprion clarkii
太平洋とインド洋の熱帯域に分布する。
体の上半分は黒く、下あごから腹びれ後ろまで橙。
頭部、胴体、尾びれのつけ根に白い横帯、尾びれは黄色で上下が橙色でふちどられる。
(2)ハマクマノミ 学名Amphiprion frenatus
西太平洋とインド洋の熱帯域に分布する。
全身が橙色で、目の後ろに太くて白い横帯が入る。
横帯は黒くふちどられる。
(3)カクレクマノミ 学名Amphiprion ocellaris
西太平洋の熱帯域に分布する。
ほかの種類に比べると細長い体つきをしている。
体は橙色で目の後ろ、胴体、尾びれのつけ根に白い横帯が入る。
各ひれは黒または白黒でふちどられる。
(4)セジロクマノミ 学名Amphiprion sandaracinos
西太平洋の熱帯域に分布する。
全身は黄色だが、額から背びれを通って尾まで白い線が貫くように走っている。
(5)ハナビラクマノミ 学名Amphiprion perideraion
西太平洋の熱帯域に分布する。
セジロクマノミに似ているが、白い線は額ではなく背びれから始まる。
また、えらぶたに白い線がある。
以上、日本近海で見ることの出来る可愛らしいクマノミたちでした。