総称アザラシ君のすべて
スポンサードリンクアザラシ(海豹)は、くりっとした目と愛らしいしぐさで癒し系として人気があります。以前、東京・多摩川のタマちゃん、徳島県・那賀川のナカちゃん、千葉県・鴨川のカモちゃんなど、川に現れた姿がニュースになりました。
目/科 | アシカ亜目(鰭脚類)アザラシ科に含まれる海棲哺乳類の総称 |
別名 | |
体長 | |
体重 | 50kg~3700kgと種類により多様 |
寿命 | |
生息域 | 北極圏から熱帯、南極まで幅広い海域に生息 |
特徴 |
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こぼれ話
(1)からだの特長
アザラシには体重50kgのワモンアザラシから3700kgに及ぶミナミゾウアザラシまで種により多様です。体格については多くの種で雌雄にそれほど顕著な差はありませんが、ミナミゾウアザラシではオスの体重はメスの10倍にもなります。逆にモンクアザラシやヒョウアザラシではメスのほうがオスより大きいのもいます。
ゾウアザラシ属とズキンアザラシは繁殖のディスプレイのため鼻が特異な形をしています。 首は短く、四肢には5本指があり指の間には水かきが付きヒレに変化しています。アザラシの前ビレのうち表面に出ている部分はヒトの手首より先の部分にあたり腕は身体の中ということになります。
体には短い毛が隙間なく生えており毛皮として利用されてきました。
アザラシは優れた潜水能力をもつことで知られています。キタゾウアザラシは1,500mまで潜水した記録があります。鼻腔を閉じることができ、肺の中の空気をほとんどすべて吐き出すことで高い水圧に耐えられるなど、潜水に適応した特徴をもっています。
・目の特徴
アザラシの眼球は陸生の食肉類に比べて大きく、南半球ではロスアザラシ・北半球ではクラカケアザラシが特に大きい眼球を持っています。
網膜には色を識別できず明るさを感じるだけなのでアザラシには色の概念はありません。
また、陸上にいる時、アザラシが目の下が濡れて泣いているように見えるときがありますが、これは涙を鼻腔に流す鼻涙管が無いためであって、ヒトのように泣いているわけではありません。
・耳の特徴
両極の暗い水の中で魚を取らなければならない種もいて、視覚以外の感覚も鋭い。アザラシには耳たぶはありませんが、目の横に耳の穴があります。
ゴマフアザラシなどのいくつかの種では水中でクリック音を発してエコロケーションを行っています。
また飼育下のアザラシでも周囲の物音に敏感に反応する様子を観察する事ができます。
・鼻の特徴
アザラシの母親が自分の子供を見分けるための重要な情報が匂いであると言われています。なおアザラシと近縁のアシカ科でも親が子を確認するのに嗅覚が使われています。
(2)生息分布
日本近海には5種のアザラシが生息しているが彼らは「すみわけ」をしているように見えます。
生息域 | |
ワモンアザラシ | 氷や流氷の多い地域に多く、大型プランクトンと小型魚類を食べている |
アゴヒゲアザラシ | 流氷の移動する浅い海域を好み底性の魚類やカニ・貝を食べている。 |
ゴマフアザラシ | ワモンアザラシ、アゴヒゲアザラシより南に分布し、冬から春にかけては流氷上で出産する。流氷期が終わると「沿岸で生活」する |
クラカケアザラシ | ワモンアザラシ、アゴヒゲアザラシより南に分布し、冬から春にかけては流氷上で出産する。流氷期が終わると「外洋で回遊」する |
ゼニガタアザラシ | ゴマフアザラシ、カケフアザラシより南に分布し流氷のあまり来ない北海道から千島列島の結氷しない地域で暮らす |
でも、これら生息域にかかわらず、タマちゃんやナカちゃん,カモちゃんのように日本各地で見られることもまれにあります。
(3)夫婦と出産
アザラシの夫婦形式は一雄一雌型のゴマフアザラシのような種もいる一方、ミナミゾウアザラシは一夫多妻型、ハーレムを作る種もおり多様です。
アザラシは陸上・もしくは海氷上で出産します。一産一仔で妊娠期間はほとんどの種で一年です。新生児の産毛は保護色になっている種も多く、海氷上で出産する種(ゴマフアザラシ・ワモンアザラシなど)は白色の産毛を持って産まれてきます。
(4)アシカとの違い
アシカとは外見がよく似ていますが、いくつか明確な相違点が見られます。
アシカ | アザラシ | |
耳 | 耳たぶあり | 耳たぶ無し |
足 | 後肢に比較して前肢が発達 | 後肢が発達 |
泳ぎ | 主たる推進力は前肢 | 推進力は左右の後肢を交互に動かす |
陸移動 | 後肢を前方に折り曲げ、主に前肢を使って陸上でも比較的上手に移動 | 前肢を補助的に使いながら全身を蠕動させイモムシのように移動 |
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