ボストン・レッドソックス時代の松坂大輔投手(2007年)

 4月5日のロイヤルズ戦でメジャーリーグの公式戦を初先発しました。気温2度という厳しい寒さの中で、最速95マイル(約153キロ)の速球と多彩な変化球を武器に、7回までをソロホームランによる1失点のみに抑え、10三振を奪う好投で初勝利を挙げました。初先発初勝利は日本人選手では4人目の記録となりました。

 5月14日の対タイガース戦で1失点完投、5月19日の対ブレーブス戦では8回3失点の好投で連勝し、この週のア・リーグ週間MVPを獲得しました。

 

 8月4日の対マリナーズ戦において、7回2失点の好投で13勝目(8敗)を挙げ、日本人メジャーリーガーのパイオニアと言われた野茂英雄の新人時代(1995年、当時ドジャース)の勝ち星に並びました。

 9月3日の対ブルージェイズ戦では、5回まで1失点でしたが、6回に突如乱れて計7失点しながらも打線の援護で14勝目(11敗)を挙げ、日本の新人投手の勝ち星としては、2002年の石井一久(当時ドジャース)に並び、タイ記録となりました。

  レギュラーシーズン最後の登板となった9月28日の対ツインズ戦では、8回2失点の好投で日本の新人投手としては史上最多となる15勝目(12敗)を挙げました。この勝利でマジックを1とし、その後、2位のヤンキースがオリオールズに敗れたため、レッドソックスの地区優勝が決まりました。

 プレーオフでは10月5日、ア・リーグのディビジョンシリーズでエンゼルスとの第2戦に初登板し、4回2/3を3失点でしたが勝敗はつきませんでした。インディアンスとのリーグチャンピオンシップシリーズでは、1勝1敗で迎えた10月15日の第3戦に登板しましたが、4回2/3を4失点で降板し、敗戦投手となりました。

 3連敗で王手をかけられたレッドソックスですが、その後2連勝で逆王手をかけ、10月21日の最終戦で松坂が再び登板。新人投手がリーグチャンピオンシップ最終戦に先発するのは、メジャーリーグ史上初であります。その最終戦では5回を2失点、後を託された岡島秀樹らのリレーでリードを守り抜き、打線爆発もあって松坂は日本人メジャーリーガー初のプレーオフ勝利投手となりました。

 西武時代の先輩である松井稼頭央の所属するロッキーズとのワールドシリーズでは、2勝0敗で迎えた10月27日の第3戦で登板。自らのタイムリーヒットなどもあり、6点の援護を得て、5回1/3を2失点とリードを守って降板。チームは10-5で勝利し、松坂は日本人メジャーリーガー初のワールドシリーズ勝利投手となりました。

 レッドソックスは翌日の第4戦にも勝利してワールドシリーズ優勝を果たし、松坂は渡米1年目でチャンピオンリングを手にしました。

  プレーオフやワールドシリーズでは好印象を残したものの、レギュラーシーズンはまちまちの成績で、本人も制覇後に不満のコメントをしています。

  1試合の平均球数は108.8球で、これはメジャーリーグでトップとなる数字でありました。


 

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